Yamanote Line 30 Stations, 2020

01 東京駅#1|Tokyo Station#1|Tokyo, 2020
02 鶯谷駅#1|Uguisudani Station#1|Tokyo, 2020
03 原宿駅#2|Harajuku Station#2|Tokyo, 2020
04 渋谷駅#1|Shibuya Station#1|Tokyo, 2020

シフトする「アーキタイプ」

駅もまた終わることのない「スクラップ&ビルド」の構造物であるといえます。撮影を行った2020年もたくさんの改良工事や建替工事が行われており、49年ぶりとなる新駅の開業もありました。こうした中で、都内に残る最も古い木造駅舎である原宿駅をオリンピック後に解体するというニュースを聞き、その前に撮影しておきたいという思いがこのシリーズを始めるきっかけとなりました。撮影時には既に新駅舎の使用が開始されていましたが、旧駅舎も現存しており新旧二つの駅舎が並んでいる状態で撮影することができました。

新駅舎と旧駅舎が「コピー&ペースト」の関係であるとは言えないかも知れませんが、そこにはある程度のアーキタイプ(=「潜在的同一性」)を見て取れると思います。この「アーキタイプ」を探るという行為は、「らしさ」を感知する行為であるとも言えます。こうした意味では、新駅舎の鉄骨とガラスの構造物は、駅というよりはむしろ商業ビルやオフィスビルに「らしさ」を感じるのではないでしょうか。

翻って山手線全体の駅を見渡してみると、いわゆる「駅」と聞いて私たちが思い描くイメージとはかけ離れているものもあると思います。駅「らしさ」を構成する要素としては、線路、プラットフォーム、駅舎、改札、跨線橋などではないでしょうか。しかしながら、都心を走る山手線においては、外からではこれらを見つけることができないものがあります。あるいは、駅舎と呼べるものが存在しないものもあると思います。

そればかりか、外観を見る限りは商業ビルの様にしか見えず、駅名のサインがなければ駅と認識できないものがあります。この様な視点で改めて山手線の駅を見直してみると、駅「らしさ」を消失したと言えるのではないでしょうか。いやむしろ、こうした有り様こそが、都心の駅「らしさ」なのかも知れません。

では、都心の駅たる山手線は「駅」の「アーキタイプ」を「消失」したのかといえば、それは「消失」ではなく、「商業ビル」などの「アーキタイプ」に「シフト」したのではないかと考えられます。